繊 維 機 械 情 報 2003.0708号>

 

 

TOPICS - ITMAバーミンガム2229 Oct. 2003 英国)

 

 

 前回パリ展へは中国からのビジターは日本人より多い約3,500人(香港は別)であ

 

ったが、バ展への団体予約状況から推測する限り10分の1と激減。SARS再発となれば

 

アジア各国からも同様の現象となること必定。

 

 

  さらにショックなのは欧州最大の総合繊維機械グループのスイスSaurerが出

 

展をとりやめたことである。傘下にシュラフォルスト(自動ワインダー、ロータ空紡機)

 

やバーマグ(合繊巻取、DTY)、フォルクマンやアルマ(各種撚糸機。以上いずれも独メ

 

ーカー)さらにスイスRieterもキャンセルするとのニュースも入ってきており(紡

 

績設備や合繊プラント、また買収した仏ICBTのDTY、不織布設備、ガラス繊維やB

 

CF撚糸機など)2大グループの辞退が事実なら、欧州の同業他社にも波及する。

 

 

  日本から常連出展の豊田、ツダコマはいまのところ辞退、大手では村田だけとなった模様。

 

TMT(東レエンジ、村田、帝人製機の合繊機械事業の3社合弁独立企業)は出展辞退か。ニット

 

の島精機はミラノ専門展に出展。従って、日本からのビジターはぐんと減って、むしろ12

 

月の上海展に流れるだろう。

 

 

 出展キャンセルの理由として次のようなものが考えられる。@ リストラまたは人

 

員削減中心のダウンサイジングの最中で出展の余裕がない A 需要不足またはデフレ進

 

行中で先行き期待できない B 新機種、新型機の開発が遅れた C 既存機では販売が


伸ばせないし、もはや総合大イベントでは焦点がボケて顧客に満足を与えられなくなった。

 

今後は機種別に絞った専門もしくは個展でデモする方が効果的 D 需要地域での現地生

 

産または技術供与、合弁ノックダウン、部品等の調達などの各種形態で進出しているとこ

 

ろが多く、いまさら英での展示は不必要――など。

 

 

 欧州の有力グループや企業が出展しないウラの理由は、私見だが――㋑ 赤字続き

 

または採算がとれない ㋺ 需要不足ないし回復不能を見通している ㋩ うがった見方

 

だが次はハノーバーと皆が思っていたところ、突然に英側に変更され、さらに欧州主要国

 

の反対にもかかわらず米英がイラクに進撃したことへの反目(グローバルに展開する大手

 

ほど各国のユーザー感情を気にする)もあろう。

 

以上